WordPress でコンバージョン(CV)計測を正しく理解する
「 WordPress でコンバージョンを計測したい」
そう考えたとき、多くの人が「GA4 や Google タグマネージャー(GTM)を使え」という言葉を目にするでしょう。しかし、実際に触れてみると設定が難しく、結局「正しく測れているのか分からない」と挫折してしまうケースが少なくありません。
- そもそも CV とは何か
- なぜ重要なのか
- CV 計測の落とし穴とは
多くの現場を見てきた中で実はマーケティング以前の問題で損をしているサイトがとても多いのです。本記事では、現在の WordPress 環境における「現実的な CV 計測のあり方」を整理し、単なる数字の集計を超えた「サイト改善」のための視点を解説します。
コンバージョン(CV)とは「ユーザーの次なる一歩」
コンバージョンとは、サイト上で達成したい「成果」のことです。 決して「売上」だけを指す言葉ではありません。
- リンク誘導(内部導線や外部サイトへの遷移)
- 商品購入(EC サイトとしてのゴール)
- フォーム送信(お問い合わせ・資料請求)
- 電話ボタンのタップ(実店舗への誘導)
これらはすべて、ユーザーがあなたのサイトを信頼し、「次の行動を取ってくれた証」です。この小さな一歩を可視化することこそが、 CV 計測の第一歩です。
なぜ WordPress で CV 計測が重要なのか?〜 感覚運用から脱却するために 〜
サイトへの訪問(PV)が多くても、 CV が発生しなければビジネス成果にはつながりません。 CV を計測する最大の価値は「改善を感覚ではなく、数字で判断できるようになること」です。
例えば、ボタンの色を目立つ色に変えたり、キャッチコピーを書き換えたりしたとします。
- 変更前: 100 人中 / 2 人がクリック
- 変更後: 100 人中 / 6 人がクリック
この「 4 人の差」が分かってはじめて、「この改善は正解だった」と確信を持って言えるようになります。 CV 計測とは、単に成果を眺めるためのものではなく、「どこを直せばもっと伸びるか」という明確なヒントを手に入れる作業なのです。
致命的なロスの洗い出し
CV 改善の前提条件として、まず切り分けるべきものがあります。それが「改善以前の不具合=ロス」です。計測を始めると、多くの人は「 10 件成約した」という成功の数だけに目を向けがちです。しかし、実は目を向けるべき点はもうひとつあります。それは成功とプロセスの間にある「ロス」(脱落)です。
「最終ボタン」を押したのに完了していない恐怖
例えば、以下の状況を考えてください。
- 商品ページの「購入確定ボタン」が 10 回 押された
- しかし、最終的な「購入完了ページ」には 8 人 しか届かなかった
この差分である「 2 人」は買うのをやめたのではありません。「買おうとしてボタンを押したのに、何らかの理由で買えなかった」のです。
- 入力エラーの出し方
- 決済の遅延
- システム的な欠陥
これはユーザーの迷いではなく、「 100%本来注文されるべきだった取りこぼし」であり、サイト側の致命的な不具合に他なりません。 CV の改善とは別の話です。このロスを可視化できていないサイトは毎日黙って顧客を追い返しているのと同じです。
購買意欲の非常に高いユーザーならば「注文できない」と報告してくれるケースもありますが、多くの場合はその時点で購入をあきらめてしまうでしょう。ましてや、特定条件にしか現象が発生しなければ、問題の発覚は非常に困難です。
GA4 や GTM が抱える「正確さ」の落とし穴
多くの技術者が GA4 などの外部計測ツールを信頼していますが、ここには大きな落とし穴があります。 GA4 はイベントをベースに計測を行いますが、クリックを CV としてしまえば、最終的なゴールに到達したか不確かになります。かといって完了ページへの移管を CV とすれば、クリック数との乖離が把握できません。
広告ブロック(AdBlock)による計測漏れ
昨今、ブラウザに「 AdBlock 」を入れているユーザーは珍しくありません。外部サーバーへデータを送る GA4 や GTM はこれらのツールによって通信を遮断され、「そこにあるはずの数字」を平然と見逃します。
もちろん、 GA4 や GTM 自体が悪いわけではありません。「計測ツール上の数字は正常だ」と技術者が思い込んでいる裏で実は計測されないロスが発生している。外部サービスに依存した計測だけでは、この「現場で起きている真実」にたどり着くことはできません。
WordPress における「ちょうどいい計測」の欠如
WordPress では、「コンバージョンをどう定義し、どこで計測するか」が非常に曖昧になりがちです。しかし、最終ボタンが押された事実だけを拾うなら、実装自体は驚くほど単純です。
<!-- 「購入する」ボタンが押された瞬間を検知する最小例 -->
<script>
document.querySelectorAll('.cv-target').forEach(el => {
el.addEventListener('click', () => {
console.log('CV Click');
});
});
</script>実際の計測では、このクリックをデータベースやログに保存し、完了ページの到達数と突き合わせます。
この「意思表示の瞬間」を確実に記録し、完了数と比較する。この「差分」を把握することこそが、取りこぼしを防ぐ唯一の手段です。
まとめ:計測を「サイトを育てる道具」にする
- CV は「ユーザーの意思」である:動いてくれた証をすべて拾い上げること
- ロスは「システムの不具合」である:最終ボタン後の脱落は 100%取りこぼした利益
- 外部ツールを盲信しない:見えなくなった数字の裏に真の課題が隠れている可能性
「アクセスはあるのに、なぜか成果に繋がらない」
そう感じているなら、正確な CV 計測を実施すべきです。
さらに、 CV からの改善点の洗い出しだけでなく、「ユーザーが意欲を示した瞬間(クリック)から、最終地点までにどれだけのロスがあるか」にも注目してみてください。
正しく計測できるようになった瞬間から、感ではない再現可能なサイト運用が可能になるのです。